幼なじみだけどそうじゃない・・・!!
笑顔のまま高々と宣言した飛奈ちゃんに周りが唖然とする中、澤くんはガクッと肩を落とした。

その傷をどうするつもりなんだろうか、飛奈ちゃんの言葉はこれだけでは終わらなかった。


「こんな大勢の前であたしが真剣に考えるわけねーだろーが!・・・本気ならもっと近くで言えや」


(それって・・・・・・)


近くで言ったら、もしくは2人の時に行ったら飛奈ちゃんは真剣に澤くんとの考えるということじゃないか。

心做しか飛奈ちゃんの表情がいたずらっ子から純粋に笑う女の子に変わったように見えた。


「じゃあ、待っててください!」


澤くんも同じ結論に至ったのかバッと顔を上げて飛奈ちゃんに宣戦布告をした。

観客からは「頑張れー」「よくやった!」という激励が送られている。

澤くんは凄いな。こんな大勢の前で自分の気持ちを言葉にして、断られても尚堂々としている。

そこでふとちーくんのことが脳裏を横切った。

ラインが来てから少し時間が空いて落ち着いたので、1つ1つ状況を整理していく。

きっとちーくんはまた私を守ろうとしてくれている。

< 191 / 200 >

この作品をシェア

pagetop