幼なじみだけどそうじゃない・・・!!
渡り廊下まで来てようやく松井くんの姿を捉えた。

数人の友達を引き連れている。


「まっ、松井くん・・・!」
「え、糸瀬さん?」


私が急いでそう呼び止めると、松井は目を丸くしてこちらを振り返った。

なんだなんだと友達もザワつく。

それがまた怖かったけれど、スカートを掴んでなんとか立て直す。

声が震えながらも、一生懸命言葉を紡いだ。


「・・・・・・・ちーくんとの噂流したのって、松井くんだよね」
「あー、それね・・・。や、なんつーか・・・・・そう!ゴシップに浮かれてる、的な?」


罪悪感からなのか、松井くんの歯切れが悪い。

悪いのはその原因を作った私達もだ。

そう思い、綺麗に頭を下げた。

こんなのでどうにかなるものではないけど、そうすることしか私には思いつかなかった。


「ご、ごめんな、さい!」
「糸瀬さんっ?」
「元々は私がウジウジしてたせいでこうなったから、その、本当にごめんなさい」


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