幼なじみだけどそうじゃない・・・!!
松井くんは動揺している。

その気持ちも分かる。
いきなり痛いところを突かれて急に謝られているんだから。

私がは頭を上げ、真っ直ぐ松井くんの目を見た。

思えばトラウマが出来てから初めてかもしれない。ちーくん以外の男子の目を見るのは。


「その、男子のことが苦手で、ちゃんと向き合えなくて、返事出来なくてごめんなさい」


ようやく私が何を言おうとしているのか分かった松井くんは、傷を抉られたような顔をした。

それでも私は言わないといけない。

ここは同情するところではない。


「私はちーくんのことが好きで付き合ってるので、松井くんとは付き合えません・・・!」


そう言い切ったところで松井くんは口を開こうとしたが、私はさらに言葉を重ねた。


「あ、あと、その、気持ちは、ありがとう。男子からあまり好意を向けられたことがないので、ありがとうございました!」


これで言いたいことは言えた。

そう、気持ちは嬉しかったのだ。

< 195 / 200 >

この作品をシェア

pagetop