幼なじみだけどそうじゃない・・・!!




一華と分かれて電車に乗ると、いつもの定位置に座る。

そして直ぐにイヤホンをつけた。

音楽は聞かず、ただの耳栓同様周りの音を聞こえにくくするために使う。


『分かったよ、ちーくん』


数年ぶりにちーくんと呼ばれたことをリピートし胸が暖まっていく。


(破壊力やばかった・・・)


スクールバッグをギュッと抱きしめながらの上目遣い。

今までのインターバルも相まって色々とくるものがあった。

こんなに会話が続くとは思わなかった。

緩む口角を抑え平然を装うが、無駄な抵抗だ。

あのまま一華と同じ車両に乗っていれば、この締まらない顔を見られてしまっていた。

一緒に乗りたかった半面、これでよかったようにも思える。

いくらなんでもあんなの反則だ。可愛すぎる。
唐突に名前呼ばれるし。
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