私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「まさか……」
「そのちびっこ大会。私らも見に行こう!……な?」
聖威の突然の提案に、室内は一瞬静かになった。
私たちが、剣術大会を見に行く……?!
「な、何を言ってるんだ!ダメだ、ダメだ!何を考えてる!く、来るな!!」
その沈黙を破り、大声で反論したのは竜樹様だった。
先程ムキになった以上にムキになり、加えて少々慌てている様子でもある。
だが、対する聖威は「えー」と首をちょこんと傾げた。少女らしい可愛い仕草だと思うが……悪者の笑みはそのまんまだ。
変に恐怖を感じて言葉のひとつも出ないが、竜樹様には関係ないようで、企みを抱えてそうなそんな聖威に怒涛の勢いで反論を続ける。
「おまえらは善見城内で顔が割れてるだろ!しかも、それぞれがやらかして追い出されてるんだ!知ってる顔に出会ったらどうするんだ!追い出された身のくせに、また善見城にいるとなったら、大騒ぎになるだろうが!」
「それはー?私がみんなに軽く認識阻害の術式をかけるから、心配いらないし?」
「騎士団の催しだからといって、手練れの神術士も見に来るんだぞ!認識阻害如きじゃ……」