私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「つーか、何でそんなに『来るな!』なんてムキになる?イケメンが目玉ひん剥いて台無しだわー」
「……うおぉっ!ま、まさか!竜樹!」
何故か、翼は閃きと驚愕の表情を浮かべて、勢い余って立ち上がる。
椅子がガタンと音を鳴らした。
そして、何を言うのかと思いきや。
「ひょっとして……その日は実は催しに参加すると見せかけてからの、自分の筆下ろしをした未亡人と密会する気か!」
「……」
所詮、こんなことだろうと思ったよ。
しかし、なぜ翼は竜樹様の筆下ろしをした未亡人に拘るんだろう。房事教育、月輪界にはないんだろうか。
私の唖然とする様子など構わず、翼は「うぉー!」と一人勝手に妄想の世界に盛り上がる。
「だから、俺たちに来るなと……!うひょー!」
「はっ?!こ、このあほが!いったい何を言ってるんだ!」
「いやいやいや!俺たちから未亡人の顔バレを防ぐために、観覧を、断固拒否してるとしか思えねぇ!……えー!やだやだやだ、見たい!竜樹の筆下ろしをした妖艶な未亡人の顔、見たいぃぃ!もしや、闘技場の裏で乳繰り合う予定だったんだろ?!覗いてやる……覗いてやるぅー!!」