私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
確かに。少しの間でも善見城内を引っ掻き回したという前科があるのだ。竜樹様の危惧する点はそこだ。
そこから更に、聖威らが異世界から来たと知られると、もっと大騒ぎになるだろう。
だが、この少女は折れない。
「一般入場可の公の場に出て来る。これはまたとないチャンスだろう?竜樹のことを信用してないわけじゃないけど、偽物か否か、判断する側の人数が多ければ、それだけ早く確信へと繋がる。……事件の早期解決には持ってこいだと思うけどな?」
「そ、それは一理あるけど……」
そうか。
特級犯罪人を知る聖威らが、実際現場へ赴き、韋駄天様のお姿を目にして、その判断をする。
確かに、それが一番間違いのない判断となり、早期解決へと繋がる。
……一刻も早い、事件の解決。
ダラダラと引き伸ばしては、不意に逃げられる可能性がある中、聖威らだって絶好の機会を逃したくはないのだ。
すると、翼が席を立ち、「まあまあ」と竜樹様の肩をトントンと宥めるように叩く。
「確かに、これはまたとないチャンスだ。俺らがリスクを侵して出向くメリットは十分あるぜぃ?……ま、迷惑かけないように致すから。な?」