私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
私達の拠点は、忉利天内の花街の傍にある平民向けの住宅街だ。
そこは善見城のお膝元のため、会場へは徒歩圏内だ。私達はてくてくと歩いて会場へ向かう。
姿や顔を隠すため、旅人が使用する薄茶のローブを身に纏っていた。……これを身につけ、フードを被るだけで認識阻害の効果があるらしい。
徒歩で花街を抜けると、そこは善見城へと続く道。私達と同じように旅人のローブを身に纏った人々が前をチラホラ歩いている。
道の真ん中には、豪華絢爛な馬車が何台も馬の蹄の音を立てて通過する。
馬車に乗っているのは、神族たちだ。
……私の実家も下級ではあるが、一応神族なので馬車はありますよ?
一大行事なので、天界の各地から神族や平民、人が集まる。
いくつも通り過ぎる馬車を見て、聖威が呟く。
「神族って、結構いるんだな。さっきからいろんな馬車が通り過ぎる。さっきの真っ黒な馬車がズラッと並んでたのは、圧巻だったな」
「……あ、さっきの黒塗りの馬車は、色と紋章からして夜叉王領の主、夜叉王様の一族よ」
「王領?あ、そうか。天界はこの忉利天だけじゃないんだっけ」
「そうそう」