私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
11.俺たちのやらかし現場、善見城
そんな話をしながらも、着々と前に足を運んでいる私達。
やがて、天帝様の居城、この天界の心臓といわれる善見城が見えてきた。
ひとつの街のような大きさもしかり、艶のある白の石造りの城は美しく輝いていて、所々にあしらわれた金の装飾が神々しさをより表現してるよう。
圧巻のあまりいつ見ても深い嘆息が出る。
いつ見ても、素敵なお城。
だが、この異世界の人たちは私とは違う感想を述べていた。
「おぉー。見えてきましたよ、俺たちのやらかし現場が。いひひ」
「あぁ。料理長とかみんな、元気かな」
「やだなぁ銀ちゃん。アンタ、あそこに黒歴史ないもんね。……って、ロイヤルファミリーの食卓を騒然とさせたこと反省せいよ!」
「そうか?みんな喜んでたぞ」
「……」
聖威は、無言で善見城を見上げて見つめた後、目を逸らして前を向いて歩いていた。
(……)
そんな様子を見て、思うことがない訳ではない。
……昨晩、竜樹様と士黄様を加えた夕の食卓にて。
この三人が特級犯罪人の足取りを追うために善見城に潜入中、何をやらかして追い出されたのかを聞いてしまった。