私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
恐らく、繊細な話ではあるんだろうな。
でも……こんな話を耳にしなかったら気付かないぐらい、聖威は何もなかったかのように普通にしてる、と思う。
やはり、この人。精神面が強いのだろう。
フードから見え隠れする造形美の凛とした横顔を目にして、ふと思った。
私たちが目指した会場とは、騎士団が日々の鍛錬に使用する闘技場だった。敷地に入ってから比較的すぐ手前の場所だ。善見城が背景の一部になっている。
「おぉーっ。いっぱい人いるねぇ。ホントにお祭りじゃん。……可愛い女子、いないかなぁー」
「あまりキョロキョロするな。顔バレするぞ」
到着すると、既に一般の観覧客で辺りは賑わっていた。本当に人、人だらけ。私たち同様旅人と思わせるローブ姿の者や、鎧姿の騎士、軽装の平民など、老若男女見た目は様々だ。
……この人数なら、変に目立つことも無さそう。
会場の中央には、二つの試合場が平行に並べられている。その傍には、軽い防具を着けた子供たちが大人に付き添われて準備をしている。恐らく、今大会の参加者である神族の御令息とその親たちだ。