私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
水蘭様の後ろを着いて歩くように、同じ髪色の小柄な少女がいた。
それが、昨年のこの大会の優勝者。水蘭様の妹である、沙那様だ。
未来の天界を支えると言われている、今をときめく御令息御令嬢二組が現れ、会場にいる誰もが羨望の眼差しと歓声を送る。女性の中にはうっとりと見つめている者もいた。
「未来の天帝と天妃か。なるほど」
「水蘭様は、女性でありながら、神術にも長けていて、神術士登録もしているの。美しさと教養を兼ね備えている令嬢……未来の天妃様としては文句なし、婚約秒読み、誰もが公認しているお二人よ?」
「舞空、詳しいなぁ」
「……これでも一応、未来の韋駄天城の女主人になる予定だったからね」
朝霧様の妻となるべく、私も社交の場にせっせと参加して顔を売ったり、たくさん勉強した。
今となっては、これも苦い思い出になったけど。
……水蘭様をお見かけするたびに、神術士への夢を諦めたという苦い思い出が、頭の中に過っていたことも。
「やっぱ美男美女がテッパンかよ。これが妃がドブスとかなら民にもっと夢を与えられるのになぁー」
「何言ってるんだか。僻み?」
「……そろそろ始まるぞ」