私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

「試合?見たいの?」

私がそう尋ねると、翼は笑顔でうんうんと頷いている。

「俺っちも一応、剣士の端くれだかんね?ちびっこの手合わせとはいえ、剣技の試合には興味津々なのさー!」



翼が剣士。

とは、自己紹介でもそう述べてきたけど。それには、若干、首を傾げたくなる部分があった。

何故ならば、翼は……帯剣していない。

剣士と名乗るには、その得物が一切見当たらないからだ。

しかし、そんな私の疑問はこの異世界の戦士たちにとっては、些細なことなのだろう。疑問は敢えて口にしなかった。



「別に見に行ってもいいけど。任務忘れるなよ?標的はしっかり警戒しとけ」

「了解、主っ!……行こーぜ!」



翼に誘われるがままに、私たちはすでに始まっている子供たちの試合の会場へと赴いたのだった。




二つ並べられた試合場の周りには、神族の子供たちの勇姿を一目見ようと、たくさんの観客が集まっていた。

小さな剣士たちを讃える拍手が、そこらで沸き上がっている。

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