私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「えぇぇっ!だ、だって次こそ怪我しちゃうかもしれないのよぉぉ!……大丈夫よ?羅沙?あなたを悪く言ったクソガキどもは、夜迦お兄様が奥義の斬鉄剣で木っ端微塵にしてくれるからねー?心配ないわよ?おうちに帰りましょー?」
「母上、自分はそんなことを致しません。それにここで棄権するとはどんな策略ですか」
……夜叉妃は病弱でありながら、かなり過激な気質の持ち主のようだ。
その様子を遠くから見守っていた私達は、またしても呆気に取られる。
「とんだバイオレンス母ちゃんだ……」と、翼が苦笑いしていた。
「しっかし、どんな教育したらあんな末恐ろしい剣豪令嬢が出来上がるのかね。その姫の師匠をルナドラグにお招きしたいわ」
「ご指導しているのは、たぶん長兄の夜迦様よ?あの御方は、実父である夜叉王様より剣の腕が立つって有名なの」
「ほう。あの横に立っている朴念仁っぽい美丈夫か?」
「こら。不敬よ。……まあ、あの姫は神力持ちじゃないみたいだから、せめて剣技だけでもってお考えなんでしょう」
「神力持ちじゃない?!」
「へっ……」