私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

何気なく口にした言葉に、聖威が突然言葉を被せてきたのでビクッと驚いてしまう。

けど、目を合わせたその表情は、目を見開いていて驚愕一色だった。

「あの姫、神力持ちじゃないっていうのか?!神族なのに?」

「ち、ちょっとビックリさせないでよ!……そう、だから『不義の子』と言われる由縁なのよ。本当の母親は平民の罪人ではないかって」

「……」

そして、聖威はもう一回、羅沙姫の方を見る。

しばらく沈黙した後、「そういうことか……」と、呟いていた。

何のことか分からず、私は何も言えなかったけど。



(……)



……この、眉を顰めて難しくしている横顔を見て、私は時々思う。




聖威と知り合って、まだ数日なのだけど。

この、頭の中で一人考察を繰り広げているかと思われる、この横顔は何度も見かける。



ひたすら、前を向いて。立ち止まらない。



私と同じ歳頃の、同じ女性なのに。

特級犯罪人によって家族を奪われたという、私より……凄惨な過去を持つのに。



何故、そんなに強くいられるんだろう。

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