私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
自分のせいで人を傷つけたくなくて、護れなくて。言葉のひとつも出なかった私より。
冤罪をかけられて、みんなに見捨てられ、何も出来なくて絶望していた私より、辛いはずなのに。
こんな私より、悲しみが深いはずなのに。
どうして、前を向いていられるんだろう。
強さの源は、どこなの?
不思議でたまらず、私はその凛とした綺麗な横顔を見つめ続けていた。
「……あっ?」
「……え?」
聖威は何故か突然、間抜けな声を出す。
表情も急に変わって、ガクッとさせられた。
「ど、どうしたのよ」
「あれ。見て。……竜樹だ」
「へ?」
私も間抜けな声を出してしまった。
しかし、聖威の指差す先には確かにあの竜樹様がいた。
あれ?さっきまで貴賓の観覧席にいたはずなのに。いつの間に試合場まで降りてきたの?
そして、何故か花束を持って歩いている?何で?しかも早足?
想像しなかった状況に首を傾げていると、他の二人もそりゃあ気付く。
「おやおや竜樹でないかい?あんなに強張った顔して花束持ってどこ行くんだい?」