私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「服装といいキマったヘアスタイルといい、まるで求婚しに行くみたいだな」
「うぉぉっ!ひょっとして、筆下ろしされた未亡人のところへ……!」
翼と銀太さんが揃うと、またここで一気に別件で盛り上がってしまった。
しかし、竜樹様の向かったところは、未亡人のいるところでも、闘技場の裏でもなかったのだ。
「ら、ら、羅沙っ!」
竜樹様が足を停めたのは……なんと、先程大人顔負けの勝利を修めた、あの夜叉の姫の前だった。
う、嘘っ!!
と、私達全員、心の中で叫んだであろう。
「あ、竜樹様っ!お久しぶりです!」
竜樹様の存在に気付いた羅沙姫は、母親から離れ、ちょこんと可愛らしく膝を折って挨拶する。
肩鎧に胸当ての軽装備姿なのに、愛らしい屈膝礼が可愛すぎて、胸がキュンとしてしまった。
しかし、そんな愛らしい仕草に胸がキュンとしたのは、どうやら私だけではないらしい。
そんな姫の真っ正面に立つ御方は、花束を握りしめたまま、顔を赤らめている。
この様子、まさか……。
「羅沙っ!と、忉利天へようこそっ!あ、あと……ま、まずは、一勝おめでとうっ!」