私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
何に狼狽えているのかはわからないが、あわあわとした拙い喋りで、竜樹様は花束をバッと姫に差し出した。
すると、姫は「わあぁ!」とその花束を受け取る。
「なんて素敵なお花!きれい!」
「こ、これは善見城の庭園のものを少し頂戴したんだ」
姫は黄色と桃色の鮮やかな花束に顔を近付けて、すうっと匂いを嗅いでいた。
「いい匂い……ありがとうございます!」
突然の花束贈呈ではあるが、花に罪はない。
それに、花は綺麗だ。姫は純粋に喜んでいた。
そんな姫の満面の笑顔を見て、竜樹様は安堵の表情……というか、顔を赤らめたままで、デレデレ?
「これ、もしかして……」
私の呟きに、聖威はうんうん頷いている。
「だな」
「……嘘っ!!」
こんなところで、思わぬ目撃。
まさか、竜樹様が……将来有望株の話題の美男子の意中の令嬢が、ここに?!
自分のことではないけど、胸が熱くいっぱいになる。
だが……。
「おいおい。竜樹は熟女趣味じゃなかったのかよ。筆下ろしの未亡人は愚か、ロリ趣味だったのかぁっ!」
「しかも、あのポンコツぶりは何だ。カミカミだし、だらしない顔だな」
こいつらにかかれば、純情恋物語も、ただの弄りネタに過ぎない。