私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
変に静まり返ってしまった中、風に乗るかのように微かなどよめき。
ちびっこの剣術大会決勝戦を観ているような雰囲気ではない、とても異様な空気感だ。
私の隣に一列に並んで異様な試合を見守る異世界の戦士たちも同じく。
「……天子様が押されてるぞ」
「ああ」
試合場の凄まじい激闘を眺めて、その所見をボソッと呟いていた。
自分の背丈ほどの、大柄の騎士が扱うような大剣を、涼しい顔でいとも簡単にガンガン激しく振り回して攻め込む羅沙姫。
対する天子様は、威力ある斬撃を受け止めるのが精一杯なのか、防戦一方になってきた。
「確かに、あの威力の斬撃は堪んねえな。よろめかずに受け止めている坊ちゃんも、実は大したもんだよ。体幹いいな」
「ああぁぁ、昔の銀太との手合わせ思い出した。筋肉ダルマのパワー攻撃。吐きそ」
「マジで吐くなよ、聖威。きたろう袋持ってきてねえぞ。しかし、姫の方もあの小柄な体のどこからあんなパワーが。カウンターも手早く防御するし、技術もなかなか」
「ホントに吐かねえし!」
「……」