私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
すると、いつの間にか姫君の側にいた兄の夜迦様が告げる。その後ろには母である夜叉妃や、竜樹様も控えていた。
「羅沙、負けは負けだ」
「……」
「神術剣の防御の仕方も身に付けているはず。体がついて行かなかったおまえの負けだ」
「ううっ……」
「羅沙、羅沙は頑張ったよ!十分に頑張った!」
今にも泣き出しそうな羅沙姫に、竜樹様は狼狽えながらも慰めの言葉をかけていた。
いや、そこで慰めると……。
「うっ……うわあぁぁぁんっ!!」
予想通り、羅沙姫は両手で顔を覆いながら、大声をあげて泣き出した。
試合中の佇まいと格差が……。
とは言っても、所詮はまだ10歳の令嬢なのである。
「ああぁぁっ!羅沙っ!悲しいわね?悔しいわね?可哀想にぃぃっ!……ちょっと竜樹!私の大事な羅沙をなに泣かしてるのよぉっ!」
「え?え、俺は」
竜樹様、お母様にドンと突き飛ばされた。哀れ……。
そして、泣き喚く我が子をぎゅうぎゅうと抱き締めて吠える母・夜叉妃。
「ああぁぁっ、羅沙!神力無しで立ち向かったのに、神術剣で吹っ飛ばされて可哀想に!……こらぁぁっ!何やってんだこのクソ天子!羅沙が傷物になったらどうしてくれるぅぅっ!」
「母上、クソは不敬ですよ」