私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
私の話の途中で、聖威はその場を飛び出す。
既に、試合場を背に闘技場を出ようとする韋駄天様の後を追っていく。
聖威の突然の行動に、泡食ってしまった。
「聖威、聖威っ!ちょっと待って!」
私も引き寄せられるように飛び出して、その背中を走って追う。
……いったい、何?!どうしたの急に!
一人で勝手に飛び出して、あれ、翼や銀太さんは?!
あたふたしながら前後を交互に確認してしまう。
二人はこっちに気付いていない。距離が遠くなっていくけど……一緒に行動しなくていいの?!
「聖威!聖威!」
不安になりながらも、駆け出していった聖威の後をバタバタと全力疾走で追い掛ける。
足、速いよ!
見失わないように追うのが精一杯だった。
聖威の向かったところは、闘技場の外。
人の流れとは逆方向である、樹々が生い茂った人気の無い闘技場の裏だった。
追い付いた時にはすでに、聖威は木陰に身を隠しながら、密かに何かを監視している様子だ。
「聖威、どうしたの急に!」
「しっ!」