私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

ふと見ると、魔獣の触手に囚われた羅沙姫は静かになっていた。グッタリとしていて、動かない。気を失っているよう。

まるで、魔力に当てられたかのように。



もしそうなら、姫様の命が危ない。

ここに隠れている場合ではない。助けないと……!



そう思って、聖威の方を振り返るが。

そこに、聖威はもういなかった。

慌てて再び前を見ると……聖威は既に、飛び出していたのだ。

特級犯罪人・架威のもとへと。



「ーーーその姫君を直ぐに離して下さい!……兄上ぇぇっ!」



駆け出しながら叫んだ、その内容に。

私は一瞬、耳を疑った。



聖威、今。『兄上』って……。



そんな叫び散らしながら、堂々と正面切って出て行ったもんだから、そりゃ気付かれる。

突然目に入った聖威の姿に、特級犯罪人の顔は激しく歪んだ。



「き、貴様!聖威!……ここにいるとはぁぁっ!」

「兄上、その姫君の『聖域』は、闇の神力の付加能力!……姫君の身に危害を加えたら、その付加能力が無意識に発動します!……今すぐお手を!」

「な、何?!」

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