私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
私の唯一の神術【光の泉】は、自分の神力を注ぎ込んで、相手の体内にある神力を活性化させて回復に持ち込む手助けをするもの。
ましてや、こんな『神力が空になる』という容態の状況で、果たしてこの【光の泉】は通用するのか。老師から教わったこともないし、使ったこともない。
未知の領域への不安が押し寄せてくる。
(……でも!)
しかし、やってみなくてはわからない。このまま何もしないままだと、羅沙姫は直に力尽きてしまう。
体内に僅かでも神力が残っている状態なら、回復出来るかもしれない。
ウダウダ考えても仕方ない……!
私は意を決して、羅沙姫を腕の中に抱き止めたまま、短く息を吸って口を開いた。
「……聖なる白い恩寵、光の祝福……」
言霊に反応して、私の両掌に熱が篭り、光り出す。
左右の掌には、それぞれ小さな術陣を敷く。
「……光癒、【光の泉】」
私の発した白く淡い光は、徐々に羅沙姫の体を包み込んだ。途端にガクンと体が揺れる。
【光の泉】が反応した。……これは、出来る!
しかし、光がゆっくりほんわりしているこの見た目とは、大違い。
両掌に術陣を出してしまった以上、発動するなり、いつもの倍の力で体内の神力をグイグイと引っ張られていた。