私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

油断すれば、意識が落ちる。それに、先日聖威に使うまでは一度も使っていなかったこの術。幼少時代から間を置いていたこの力、使い切れるの……?!

見切り発進で浅はかだったかもしれない。



(見切り発進?浅はか……?)



《神術士になるだと?!老師に唆されおって……許さんぞ、舞空!》

《女は一族の繋がりを拡げるために、嫁に行くのだ!神術士になどなれるか!……浅はかな!》



その時、ふと。

父がかつて、私に言い放ったことを思い出す。

老師にも罰を与えて追い出して、私は言いなりになるしかなかった、あの日のことを。

いつ思い出しても、胸が痛むものだ。



《おまえは、私の言う通りに生きていけばいいんだ!》



……でも、お父様。目の前に力尽きそうな人がいるの。

命の灯火が消えそうな人が、いるの。




周りの言いなりに、変わり果てた自分。

それを見つめる鏡。

言葉の一つも出せないで、どんなに後悔したか。

……そんな辛かった日々を、思い出す。



(私は……)



私も、誰かの力になりたい。助けたい。

助けるために……。



(神術士に、なりたかった……)
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