私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
なんて会話をしてるんだろう。少女が脱糞だなんて。
だが、疑惑の争いは置いといて、少女は気を取り直すかのようにゴホンと咳払いをする。
「……てなわけで。我々はそこのふんわり赤毛のお嬢さんに用事がある」
「へっ?!」
「そゆことで、そこのお嬢さんをこちらに引き渡して貰おう」
「な、何っ!」
突然の振りだ。話の切り替えも突然。
話に着いていけず、驚愕する私らを目の前に、突然の宣言をしたローブの少女は「へんっ!」と偉そうに腕を組んでいる。
それに……私?私に用事?ふんわり赤毛……いや、私だよね。
って、この人達のこと知らないんだけど!
ますます混惑が混惑を呼んだ。
しかし、私は護送中の罪人。そんなことが簡単に許されるわけでもなく。
「こんな罪人に用だと?!……ふざけるな!」
ワケのわからない展開に逆上した監視兵は、そう叫んで、手にしている剣を三度振り翳す。
だが、少女の反応は素早く、それと同時に監視兵の動きに合わせて懐を擦り抜け、瞬く間に私の前に立ちはだかっていた。
(えっ……)
見下ろされた視線と私の視線が重なる。
「……というわけで。ちょっと私らと来てくれる?」