私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
しかしそれは一瞬で、あっという間に転移陣の発動した光にかき消されてしまったのだった。
そうして、私達三人を乗せた転移陣は天王様の「待ってくれ」の懇願を遮るかのように発動する。
ものの一瞬で、私達は拠点とするあの古民家に戻ってきたのだった。
光が落ち着いて見えてきた視界は、あの転移陣の敷かれた小部屋だ。
「……しかし、随分やらかして帰ってきてもうたな」
「……」
翼の呟きに、頷くのみで無言だった。
無理もない。
あれほど『騒ぎを起こすな、大人しくしてろ』と厳重に注意をされたにも関わらず、闘技場の外で派手に一戦交えてしまった。
これは……後程の竜樹様の反応が恐い。
「けど、あれは仕方ない。でなければ、あの姫君は兄上に拐われていた。これ以上、兄上の被害者を出すわけにはいかない」
そう言う聖威の声は至って冷静だ。
転移陣から足を下ろして、身に纏っていたローブを淡々と脱ぎ捨てる。
続いて、翼も転移陣から降りていた。
「しかし、何であの剣士の姫さんを……」
「あの姫君は『闇』の神力属性をお持ちだ。しかも、『闇』の神力持ちに必ず付加されている能力が、聖域に関する力だった」