私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「ほぉ!SSR?!……よぉわかったな」
「姫の剣気から僅かに『聖域』の気配がした。私が気付いたんだ。兄上が気付かないわけがない」
「闇神力の上に、聖域持ち?……あれ、あの姫さん、神力持ちじゃない不義の子ってハナシじゃなかった?」
「光の神力が溢れているこの世界に、闇の神力を扱えるヤツなんていないだろ。だから、神力ナシにならざるを得なかった。……その不義の母親が問題なんだよ、きっと。恐らく、生みの母親は……」
二人の会話を耳に挟みながら、私も転移陣から降りる。
だが、一歩踏み出したその足に力が入らず、体がグラッとふらついた。
(あれ……?)
「で、王太子ポジは何でおまえを追い掛ける?」
「……その話はもういい!二度とするな!」
「ふ?……おや?!舞空?!」
「は……あ!舞空、ひょっとしてあの姫君の!……」
急に目の前が真っ暗になる。二人の声は聞こえているのに。けど、その声すらも遠ざかっていくよう。
目の前は真っ暗闇なんだけど、ぐるぐると回っている感覚だけはあって。
「……バカ!……急に神力使いすぎたんだよ!」
聖威のその言葉を最後に。
闇に吸い込まれていくように、意識がぷつんと途切れてしまった。