私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
20.真っ向から勝負に出る
……しかし、これで終わりじゃないのは、重々承知のことで。
「あーのーなぁー。……おまえらぁぁっ!」
私が目覚めて、しばらくしてから、竜樹様がここにやってきた。
お連れの士黄様を伴い、お怒り丸出しで。
無理もない。
特級犯罪人・架威の正体を暴くためとはいえ、対峙したことで、闘技場の外で騒ぎを起こしてしまったのだ。
翼の話によると……主だった人達が駆けつけたことに気付くと、架威は急に戦闘を放棄して、韋駄天様の姿に戻った。
そして、何もなかったかのようにその場を去っていったのだ。
ずっと辺りを見張ってその場を見届けていた銀太さんによると、その隙に翼も素早く逃げたので、駆け付けた人達には姿を見られていないらしい。
駆け付けた人達が目にした光景とは、辺りには戦闘の痕跡はあるものの、騒ぎを起こした本人たちはおらず……木の陰には羅沙姫が倒れていた。
という、状況だった。
結局、みんな何が起こったのかはわからずだったそうだが……事情を知っているこの人が気付かないわけがない。
「あれほど騒ぎを起こすなと厳重に注意したのに、何やってんだよ!」
お怒りです、竜樹様。