私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「……行くぞ、翼(たすく)!……そらよっ!」
だが、何の考察を繰り広げる間もなく、少女の「そらよっ!」と共に、私の体はガクンと浮かび上がる。
と、思ったら、掴まれた私の腕は少女の手から離れ、代わりにグンッ!と吹っ飛ばされるように、何かに引っ張られた。
「ひ、ひゃあっ!」
あまりの急発進に声をあげてしまう。ふと腕を見ると、小さな移動術式の陣が私を引っ張っている。
移動術式を遠隔操作?!こんなことも出来るなんて、只者ではない。
そして、私の引っ張られていった方向とは、幌馬車の後部。
そこには逆さの顔……いえ、続いて登場した男性が逆さのまま、急速で吹っ飛んできた私を両手広げて迎えていた。
「カマーン!ラヴキャーッチ!!」
あ、危ない!顔にぶつかる!
予想される衝撃に、反射で目をグッと瞑る。同時にドン!とぶつかる衝撃が予想通りやってきて、グッと堪える。
一瞬息が詰まったが、私の体を広げた両腕で無事に捕まえてくれたのか、痛みはなかった。
「よぉーし!トンズラ!」
「ひゃっ!」