私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「って、この世界の司法制度自体、あんまりよくわからないんだが……」
話は戻して。竜樹様の大胆な提案に、異世界戦士たちの反応は様々だった。
「この世界の法律って言っても、やっちゃいけないことこベースは月輪界と変わらない。殺人はもちろん重大事項窃盗だが、窃盗脅迫などの軽犯罪は見逃されることも多い。でも、ある程度の取り締まりは行っている」
「ある程度、ねぇー?曖昧だな」
「へぇー。この世界、司法機関とかあんの?」
「一応は」
ーーーこの世界で犯罪、揉め事が起こった場合、その裁定や罪を裁くのはそれぞれの『領主』だ。
須弥山下の領地では、それぞれの王領主、天竜八部衆の王が。
須弥山中腹の将軍管轄地域では、それぞれの将軍が。
そして、ここ忉利天も天部衆の領地が事細かに点在していて、それぞれの領主が裁定を下すことになっている。
例えば、私の実家の鳩槃茶大兵士団は、増長天様の領地内にあるので、罪の裁定は増長天様が。
韋駄天領で起こったことは……韋駄天領の主である韋駄天様が。