私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
22.聖威に聞いておきたいこと
ちびっこ剣術大会に潜入して、韋駄天様がニセモノ、月輪界の特級犯罪人で聖威の兄、星宿院架威の成りすました姿であることがわかった私たちは、その架威を追い詰めるべく、次の段階に出ることとなった。
しかし、腕の立つ護衛を抱えている韋駄天様(もとい、架威)に近付くのは非常に困難なことである。
……そこで、竜樹様が考えた案とは。
私から、韋駄天様への私刑の異議を申し立てる。
裁判という公の場で、私の冤罪をでっち上げた架威を堂々と糾弾し、公的に追い詰めるのだ。
冤罪と私刑の乱用で、裁判はもちろんこっちの前面勝利となる。
もし、私刑による罪が確定したのならば。架威は韋駄天様の姿のまま、みすみすと捕まるだろうか?
特級犯罪人として追われている身で、まさか異世界で捕まっている場合じゃない。
恐らく、その前にワケがわからなくなって、何らかのカタチで逃亡を図るなり、正体を明かす状況となるかもしれない。
……韋駄天様を演じるには限界が来る状況を作り、動揺したそこを突く。
という、作戦だ。