私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
一緒に遠くからその様子を見ていた聖威は、ケタケタと笑いながらチョコレートの包みを開ける。
あんたも同じようなもんよ……とは口には出さずに心の中で思っておく。
(……)
……と、同時に、違う思いも頭の中に過ぎる。
冤罪を言い渡され、監獄への搬送中に聖威らに連れ出されてから、目まぐるしかったこの数日。
本日だけでも、いろんなことがたくさんあった。
その中で、聖威に聞いてみたいことがいくつもあったのだ。
まずは、そのひとつ。
「……ねえ、聖威」
「ん?」
「聞きたいこと、あるんだけど……」
「お。おー。ひょっとしてあの姫さんのこと?」
私は頷く。聖威も私の疑問を察していたらしい。
それなら話が早い。私は遠慮なく質問をすることにした。
「……何で、姫様が特級犯罪人に拐われそうになったことを竜樹様に言わなかったの?架威が姫様の『聖域』を狙ったって……」
どうも腑に落ちなかった点。
それは、『架威との戦いに羅沙姫を巻き込んだ』と竜樹様に糾弾された件だった。
事実とはまるで異なるのに、聖威は反論しなかったのだ。