私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「勘違い?何が?」
「いや、ほら、あの、えと……」
「だって『話を聞いてくれ!』って、追ってくるなんて。まさか、お金借りたまま返してないとか、そんな剣幕には見えなかったけど」
「ああぁぁ……金は借りてないけどぉ……」
聖威の勢いが減退し、どんどんしどろもどろとなっていく。
やはり。私の予想は間違っていない。
「恐らく、二人で逢瀬を重ねていて、突然聖威が何も言わずに姿を消したっていう状況でしょ?天王様のあの言い方だと。……あ、侍女長に追い出されたんだっけ」
「むっ!……な、何故わかる!」
「わかるわよ。侍女の情報網からくる耳の経験ってやつ。だいたいこんな展開だろうなって」
侍女の情報網とは、取り敢えず膨大なのだ。どこの誰と誰が恋仲になっていて、こんな状況になってるとか、どんな展開になったのかとか、逐一耳に入ってくる。
だから、ひょっとしたら……の予想はつくわけで。耳年増ってやつよね。褒められたもんじゃないけど……。
聖威は「侍女、恐るべし……」と、顔を引き攣らせて苦笑いしていた。