私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

それは、善見城の傍にある庭園の泉の辺り。泉に映る月が、とても綺麗な場所だったという。

その傍にある四阿で、聖威は集めた情報の整理をして考察する。冷静になり集中するためにも、一人になる時間が必要だったのだ。

月も綺麗だし。



そして、とある日のこと。情報と考察を脳内に張り巡らせている最中の聖威のもとへ、一人の男性が訪れる。

同じ年頃の、蜂蜜色の金髪が美しい青年だ。

……何奴!!



『こんばんは。君は毎晩、こんなところで何をしているの?』



朗らかな笑みが、良くも悪くも印象的だった。



最初は刺客かと思って、存分に警戒していた。まさか、潜入が他者にバレているのか?なんて。

『あ、寝れなくて、ちょっと……』と、当たり障りのない返答をした。

『あ、そう』と、これまた当たり障りのない返答を逆に返される。

そして、彼は許可も得てないのに図々しくも、聖威の隣に『よいしょ』と座り込む。



『おいおいおい!誰が隣に座っていいって言ったんだよ!』

『うーん。気にしないで。それよりさ、美味しい苺あるんだけど、食べる?』



……は?変なヤツだな。
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