私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
24.乙女の夢
異議申し立てにて裁判を起こし、公の場で私に対する私刑、冤罪に関して韋駄天様扮する架威を糾弾する。
この作戦遂行を決めた翌日、竜樹様が善見城内の法院に対し、私の代理人として異議申し立て書を提出した。
法院のお偉いさんは、この事実にみんな真っ青だったらしい。だって、まさかあの韋駄天様が陰ながらそんなことをしていたなんて思ってもみなかったのだろう。
……いや、これは韋駄天様の名誉にも関わることだ。自分の名を語るどこぞの馬の骨が、自分の知らないところでこんなことをやらかしてくれてるのだから。
韋駄天様の安否は如何程か。それを考えると心が苦しくもあった。気さくで優しい韋駄天様。私が義娘になることを報告した時は、両手広げて歓迎してくれて。……あぁ、もうこの世にはいないなんてことになっていたら、どうしたらいいのか。
そして、トントンと話は進み、裁判の日取りは三日後と決まった。
竜樹様からは、『舞空は何の心配もせず、裁判当日までここで普通に過ごしていてほしい』と言われて、私はその言葉に甘えて、この古民家で聖威らと待機をする。