私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
けど、そこの話については、聖威がごにょごにょと言葉を濁していたので、あまり他言してはいけないのだろう。月輪界の事情もあるんだろうな。
なら、詳しくは聞かない。
なので、そこの話は置いといて、違う話題に変えた。
「ねえ、どんな修行してたの?」
「……何でそんなことに興味あるんだ」
だが、今度は逆に質問されてしまった。そっちも唐突だよね。
でも、そこには胸の奥に閉じ込めていた思い、夢があって。
優秀な神術士である同じ年頃の女の子を前にして、揺さぶられて、閉じていた蓋が開きかけていたのだ。
そして、その思いが開く。
「私、神術士になるのが夢だったの」
「……」
星が点々と光る夜空を見上げた。
夢を諦めた過去の様々な場面を思い出しては、胸を詰まらせながら。
「……でも、親には反対されて。『神族の女の務めは、神術を極めて戦場に出る事じゃない。嫁いで子を産んで、後世に神力を残すこと』って」
「わぁー。なんて動物のような考えだ。イマドキそんなの流行らんわ。だって、このクソ世界にも女の神術士いるだろ?それに、舞空は光治癒が使えるんだから重宝されるだろ」