私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
項を垂れていて、顔を合わせているわけでもないのに威圧感が半端ない。変な汗も出そうだ。
そして、その上から声が出て響く。
「ほう、おまえの形式張った挨拶、久々に見たな。一応、人前だからか?」
「……何を言ってるんですか。人前も何も、敬意を表しているだけですが」
「まあ、良い。面を上げろ、竜樹」
「……」
あんな立派な挨拶を見せたにも関わらず、尊き天帝様に軽口を叩いた竜樹様にもビックリしたが。
主上の言う通り、恐る恐ると頭を上げた。
御子二人と同じ蜂蜜色の金髪に、鏡鉄鉱のように銀色の輝きを放つ黒色の双眸。
お召し物を着ていてもわかる、ゴツゴツと鍛え抜かれた筋肉に覆われた身体に、見上げるほどの高い身の長。
紛れもなく、天界の尊き光。天帝様だ……!
そんな天帝様は、私達を見下ろしてフッと笑う。
「竜樹、おまえの拵えた此の程の余興、楽しみにしているぞ。おまえの三文芝居で楽しませて貰おう」
「……ええ、楽しませてやりますよ?腹筋が崩壊するほどに、ね?」
そして、フッフッと二人で笑い合っている。