私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「だからと言って、私刑は……」
そう苦言を呈する法院の裁判官に、韋駄天様には頭を下げた。
「それは時期尚早だと思われるかもしれませんが、舞空が危険人物であり、他者に危害を加えかねないと判断したその結果でございます。ご容赦ください」
「……」
……ま、まずい。あまりにも、頭に来る言い訳だ。……何それ!!
この私が危険人物?!だから、私刑を執行した?!何を言ってるの?!神術士でもない女性の私が、誰に何をどう危害を加えることが出来るのか!……どの口が言う!
後ろで朝霧様が同意するように、うんうんと頷いているのが腹立たしい。
しかし、なんて行き当たりばったり、お粗末な返答だ。付け焼き刃とはこのことか。
断言してしまえば真実味を帯びるのかもしれないが……それにしては、あまりにも無理がある言い分だ。
……だが、そんな腑煮えくり返る反面。
姿が韋駄天様そのものではあるが。
その振る舞い、発言に少々ボロが出ているような気がする。
無理がある言い分だし、せおりー、とか、天界に馴染みのない横文字?言葉を使ってみたり。
この言葉が飛び出た時、首を傾げたのは私だけではないと思う。