私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
聞き取れない何かの言葉を呟いた途端、凝縮された濃い光が集まったのは、彼の右中指に嵌められた指輪だった。
何の光?……何の術の詠唱?
「move on,」
(……はっ!)
予想だにしない状況に、心の中で叫んでしまう。
続いた呟きに、光る指輪はメリメリッと音を立てて、大きく形を変えていた。
大きな金属の塊?!
「adjust ……get set, 」
口からその詠唱が放たれる度に、メリッと音がして次々にカタチを変えて大きくなっていく。
まるで、生きている金属?大きさはとうとう彼の身体以上となった。
横に長い、複雑な筒の形となり、それを担いでいる状態。
筒の先を向けた方向は、空になったと思われる幌馬車だった。
「ーーーgo! !」
彼の掛け声と共に、どぉんっ!!という轟音と爆風が同時に巻き起こった。
風に煽られ反射で顔を背けながらも、私が見たものとは……筒の先から急速に放たれた、炎を纏う『気』の塊。
幌馬車を襲い、瞬く間に爆発音をあげていた。
「ほ、幌馬車がっ……!」
「銀ちゃんの魔金属砲でぶっ放しちゃいましたっ。てへぺろ」