私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
(う、嘘っ……伽藍様)
気付けば、目からは涙が溢れていた。
私は、最初から一人じゃなかったのだ。
私の冤罪を信じてくれた人たちは、聖威らだけだと思っていたけど……それは違った。
私がやっていないと、信じてくれた人たちは、他にもいたのだ。
そんなことに気付けなかった自分自身は心底呆れるし、情けなく思う。
反面、私のやってきたこと、誠心誠意お仕えしてきたことや、冤罪に声をあげてきたことは間違いではなかった。
親の言いなりになってきたこと、言葉のひとつも出なかった過去は悔やむけど……でも、自分を信じてやってきたことだけは間違いではなかったと、少しだけ報われたような気がして。
良かった。良かった、私。
諦めないで、良かった。
《必ず、特級犯罪人を捕まえて、おまえの冤罪を晴らす……私たちに、着いてこい》
《私らと、ざまぁするぞ!》
あの時、差し伸べられた手を取って、良かった。
涙で濡れた目を両手で覆う。もう、感謝でしかない。異世界の戦士たちが目の前に現れたことも、伽藍様の思いも。