私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
てへぺろ?!……って、何?
そんなことよりも、彼の飛び道具により爆破された幌馬車の惨状に唖然とする。見るも無惨に、バラバラの粉々……!
今の爆発で、馬が解き放たれどこかへ逃げて行ってしまった。
「い、今のっ……」
「あれは『魔金属砲』と言ってな?銀ちゃんの得物。霊力に反応して姿形を変える魔金属の武器なのさ」
「おーい。これでいいか?」
私らの会話に割り込むように呼び掛けてくるのは、たった今、爆砲で幌馬車を破壊した張本人だった。
その物騒な金属の得物も担いだまま。だいぶやらかしてるのに、口調も呑気なまま。
「めっちゃいい!いいで、銀ちゃん!ファビュラス!……ふー。これで時間稼ぎになるかな」
「時間稼ぎっ」
それはそうと。
幌馬車から私を連れ出し、御者と監視兵をも放り出し、幌馬車を粉々にする。
……彼らの目的は、何か。
時間稼ぎ?わからないままだった。
「よーし!撤収ぅぅっ!」
「……いや、まだだ!」
呑気な彼の語気が強くなる。一瞬にして緊張が走った。