私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
その異変の先である天井を、場内にいる者は一斉に見上げる。
そこからハラハラと落ちてくるのは……艶々に黒光りした、いくつもの黒い羽根。
まるで、北の領土にのみ降り落ちる、雪のように。
無数の黒い羽根は、空気に乗ってゆっくりと、たまにくるくる廻っては、下界にいる私たちを通りすぎては、次々と床に落ちる。
「な、何だこれは!」
「これは……黒い羽根?!」
また、場内がザワザワとし始めた。
雪のように降り落ちる黒い羽根を横目に、私はただ、天を仰ぐ。
ただ震える拳を握って。
……来た。間に合った!
「天界のみなさぁぁーんっ!おはこんにちわぁぁぁーっ!」
大広間の場内に響き渡る、男性の大声。
一瞬、体が震えるほどの唐突さではあるが。
その姿は見えず、場内の傍聴観衆は声の主を見回して探す。
だが、彼の姿を見つけた者からは「きゃっ!」「うわぁ!」などの悲鳴も次々と上がっていた。
「あ、あそこ!」
「黒い翼……魔族だぁっ!!」
「あぁーっ!確かに魔族だけど、手出ししないから安心してねーっ!わははは!」