私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。


振り絞って最初に出た声は、掠れていた。



「舞空……すまない、すまなかった!わ、儂がだらしないばかりに……つ、捕まってしまって……」



思わず「へっ?!」と、声を上げてしまった。

韋駄天様の口から一番最初に飛び出した言葉が、私への謝罪だなんて。

恐らく瀕死ながらも、翼らからこの状況を聞いたのだろう。



「韋駄天様っ……」

「本当に、すまなかったぁぁっ……」



……あぁ、間違いない。

いつも情熱的で、感情のままに涙を見せて、頭を下げる。

ここにいる韋駄天様が、紛れもなく本物の韋駄天様だ。

そう思うと、心からの安堵で、また涙が溢れてきた。



韋駄天様が架威の手によって行方が知れないと聞いた時には、最悪の結末も考えていた。

もう、命が尽きているのでは、と。

でも、目の前で目を開けて、言葉を発して……ズタボロだけど、生きている。

無事だった……!



(良かった……)



またしても涙が出て滲んだ目を手で覆う。

伽藍様といい韋駄天様といい。私にどれだけ感動を与えてくれるんだか。

もう、感謝でいっぱいだ。

韋駄天様を見つけてくれた、翼と士黄様らにも。

< 291 / 461 >

この作品をシェア

pagetop