私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「……おまえらが私を追ってこの世界に来ていたと知った時は驚きもしたが……まさかこの世界の連中と手を組んで私を陥れるような真似をするとは……!」
架威の怒りに反応するかのように、また黒い靄……障気が体から噴き出す。
魔力に似たようなものを肌で感じた者がいたのか、背中の方角から傍聴観衆の混乱の悲鳴が次々と聞こえてくる。
「魔力?!魔族……!」
「何だ?誰だあれは!」
バタバタと雑な足音も聞こえる。魔力を感じて逃げ出した人もいるのだろう。
だが、場内の混乱ぶりには目もくれず、私達三人は架威を注視するために、黙ってその様子を見守っていた。
「……裁判、続行?」
翼がおどけて首を傾げた。
そこに竜樹様が「あほ」と言い捨てる。
「え?だって、舞空の無実はもう証明されたろ?毒の正体は【被毒術式】だと説明したし、舞空を断罪した韋駄天サマはニセモノだとわかったし……中途半端だけどにゃ?」
すると、竜樹様はまた一歩前に出る。
姿を顕にした架威の方へと、詰め寄るように。
「……月輪界の特級犯罪人・星宿院架威。貴方に聞きたいことがある」