私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

順番に次々とゾロゾロ姿を現す。大きいコウモリのような輪郭の獣や、見たこともないような姿をした……魔獣という生物が。

【紫の門】という穴を潜って、次々と出てくる魔獣の行列に、この大広間は大混乱だ。

先程の竜樹様の避難勧告から、出現した魔獣の姿を目にして逃げ惑う人の波でバタバタしている。中には転倒して悲鳴をあげる人もいた。

だが、ここで架威の号令により、更なる混乱に陥れられる。



「魔獣らよ!……ここにいる神族らを、好きなように喰らい尽くせ!」



穴から出てきた魔獣らは、架威の一言にピクッと反応する。

すると、人の姿を見つけるや否や、『獲物』と認識して逃げる人々の背を一目散に追い始めた。

……魔獣らが、人を襲い始めた!



魔族、魔獣にとって神族や人間、『人』のカタチをしたものは、捕食対象。

人型ではない魔獣は、大体が知能はほぼ無いに等しい。匂いを辿っては、本能のままにただ人を襲う。



「まさかこんなに喚んでくれるとは……舞空!俺から離れないで!」

「は、はい!」

< 303 / 461 >

この作品をシェア

pagetop