私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
私の傍には竜樹様がいるが、既に大量に出現した魔獣らの相手をしていた。
無詠唱で術式を展開させては、技を繰り出す。そのどれもが一撃必殺で、あっという間に目の前の魔獣を蹴散らしていた。……やはり、天界一の神術士だけある。強い。
しかし、次々と沸いて出て来る魔獣に、竜樹様は間を置かず相手をすることになる。
……もし、裁判中に戦闘せざるを得ない状況になった場合は、私は逃げる手筈になっていたのだけど。
それはあくまでも、架威のみと対峙した時の予定で……まさかこんなにたくさんの魔獣を架威が喚んで大掛かりになるとは、予想から少し外れていたのだろう。
「……舞空、隙を見て必ず逃がす!……こっちだ!」
「はい!」
私は神術士でもなければ、もちろん魔獣と渡り合える術式は持っていない。
竜樹様の指示に従って、着いていくのみ。
だが、そこらで複数の悲鳴があがった。
顔を向けると、目の前に魔獣らが回り込んで立ち塞がられ、逃げ道を失くして恐怖のあまりへなへなと座り込んでいるドレス姿の女性がいた。