私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
危ない!……と、思ったその時。
魔獣の背後を砲撃が襲い、激しい轟音と共に爆発音が響く。
魔獣の耳障りな咆哮と共に、魔獣の姿が消えていた。
今の砲撃一撃で、魔獣を倒したのだ。
「今すぐこの広間の外へ出ろ!魔獣のエサにされるぞ!」
「は、はい!」
魔獣の背後にいたのは、銀太さんだ。
あの『大砲』という魔金属の武器の肩に担いで、魔獣に襲われかけた女性に改めて退避を呼び掛ける。
間一髪のところを救われた女性は、慌ててふらつきながらも立ち上がり、走り去った。
……銀太さんも、こういう展開を見越して、聖威と共にこの会場内に潜んでいた。
銀太さんが登場したのに気付いた聖威は、叫び掛ける。
「……銀太!一般市民の避難は任せたぞ!全員の避難完了したら、結界、忘れるなよ!魔獣をこの広間から一匹も逃がすな!」
「りょーかい、班長。……はい、一般市民、逃げた逃げた!」
聖威の命令を受けて、銀太さんは逃げる人達の出口への誘導を淡々と行なっている。
それを横目に私達も退避しようとしたが、上の観覧席の方からギャーギャーと揉める声が聞こえてくる。
思わず、竜樹様と共に顔を上げてしまった。