私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
踵を返して駆け出す。
だが、同時に体以上の大きさとなった魔力が架威の手から離れ、ドン!と音をあげながら、周りの大気をも巻き込んで私の方に突っ込んできた。
走って逃げようにも、この速度じゃ逃げきれるわけもない。
向けた背中には、魔力の圧を感じてヒリヒリと痛みが走る。
……私、ここで殺されるの?
嫌だ、そんなの!
(助けてっ……)
死を目前に、救いを求めて念じた時に。
浮かんだ姿とは……運命を共にした、私と同じ歳の少女だった。
長くて真っ直ぐな、黒髪の美少女神術士を。
絶望のどん底にいた私に手を差し伸べてくれた、あの凛とした横顔を。
(……聖威っ!)
《舞空!!》
聖威の声が……聞こえる?
《舞空、舞空!!》
ハッと我に返る。
この一瞬の出来事、土壇場で感じてしまったのだ。
聖威の気配を。
……聖威が、すぐそばにいるんじゃないかって。
また、手を差し伸べてくれているんじゃないかって。
(ああ……)
ああ、どうして。
どうして聖威はいつも、私を助けてくれるんだろう。
カッコ良すぎるでしょう。