私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
……だけど、天王様が守ってくれるとはいえ。まだ安心してはいけない。
この大広間の中は、見渡す限り魔獣だらけ。ここは魔界なんじゃないかと思うぐらい。
魔獣と戦っているのは、翼や銀太さん、竜樹様や天王様だけではない。
気付けば、四天王の増長天様や持国天様の御令息も戦いに加わっていた。
……加勢は有り難いのだけど、魔獣の数があまりにも多すぎて、やはりこちらが不利なように思える。
そんな中、聖威を腕に、その場から少しだけそろっと後ろに退がる。
聖威の身体を引き摺るカタチになってしまったけど。
果たして、まだ目が醒めない聖威を……目が醒めるまで守り抜くことが私に出来るのか。
だが、対抗する術の無い私、この敵勢の量じゃ、わかりきったことである。
……その答えは、『否』に近い。
『……ほう、神族の女か?』
横から、感情のこもっていない、冷たい声が響く。
私の体内まで、ヒヤリと冷やされたような気がする。
声の方へ、そろっと視線を動かす。
視界に入ったその姿を見て、私は更に凍り固まった。
……嘘、なんでこんな!