私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
魔族の手が迫るその最中にも、私は『どうすれば切り抜けられるか』を、考えずにはいられない。
だって、諦めたら本当に負ける。
戦場とは、そんなものだ。
……神術士じゃなくても、みんなと一緒に戦うと決めたんだ。
みんなは、戦ってるんだ。
私も、最後まで諦めてはいけない。
……考えろ、考えろ。
今の自分には、何が出来る?
少しでもいい。
人を回復することしかできない、花に水をやるような能力しかない私が、今何が出来るか。
(……あっ)
その時、ハッと気が付いた。
花に、水をやる。
……何故、私はこんな言葉を思い浮かべたのだろう。
何の関係もない、というか。今まで思い出さなかったことを。
花に水をやるような能力しかない、私……。
昔の、思い出。
老師の言っていた、あの話……。
『ええっ?!私は治癒術式しか使えないの?!……えーっ』