私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
それは、かつて。
神術士の適性があると老師に教えられ、夢を掲げるようになり始めた、幼い頃の話。
しかし、私の神術適性は、光の治癒術式【光癒】というもの。
治癒師といえば、戦って傷付いた戦士の傷を癒す、謂わば補助の役割だ。
間違っても、戦の第一線にいるような立場の能力ではない。
自分の父親や兵団長のように、派手な奥義で敵を倒すという適性ではないことを知り、少々がっくりとする。
あんまりカッコ良く無い……。
どうせなら、兵団長みたいに大技を使ってみたかった……。
そうしょんぼりとする私の様子を見て、老師はくすくすと笑う。
『舞空お嬢様、【光癒】の適性は稀少なのですよ?誰もが出来るわけでもありません』
老師が優しく諭してくれると、いいのかな……と、思うが。
でも、一度曲げたヘソは、すぐには元通りにならない。
『……でも、人を治癒する力しかないんじゃ、魔族に攻められたらすぐにやられちゃうよ』
『そうならないように、戦術で対陣を組むのです』
『んんん……!もぉぉ、花に水をやるような力しか無いなんて。兵団長みたいに戦いたいよぉ』
『舞空お嬢様、治癒師だって戦えるのですよ?』
『……え?』